右派の陰謀論者に5億円賠償命令 米サンディフック銃乱射事件
ニューヨーク(CNN Business) 米テキサス州の裁判所は4日、右派の陰謀論者として知られるトークショー司会者アレックス・ジョーンズ氏に、約400万ドル(約5億円)の賠償金をサンディフック小学校銃乱射事件の被害者の親に支払うよう命じた。信ぴょう性に乏しい説を吹聴する陰謀論によってもたらされる現実世界での損害を社会に示す判決となった。
判決の賠償金額は原告のスカーレット・ルイス氏とニール・ヘスリン氏の要求額をはるかに下回った。裁判の冒頭、両氏の弁護士は1億5000万ドルの賠償を求めた。
同裁判とは別に、懲罰的損害賠償についての裁判が予定されている。懲罰的損害賠償は、被告の行動が特に攻撃的であると裁判所が認めた場合に与えられる。
両氏の代理人マーク・バンクストン弁護士はCNNに対し、原告側は陪審員の決定に満足しており、裁判所がジョーンズに科した制裁措置により、原告側は裁判前に金銭を受け取っていたことを明らかにした。
「すでにジョーンズ氏には150万ドルの罰金が科せられており、同氏が原告らに支払うべき額は560万ドルになった」とバンクストン氏は述べた。
ルイス氏とヘスリン氏は2018年にジョーンズ氏と同氏の会社でインフォウォーズの親会社である「フリー・スピーチ・システムズ」を提訴した。今回の判決により、数年にわたって展開されてきた裁判の一部が終了する。
ジョーンズ氏は児童ら26人が死亡したサンディフック銃乱射事件について、事件は演出されたものだと根拠なく発言。複数の訴訟に直面した同氏は後に銃乱射事件が起きたことを認め、今週法廷で「事件は100%本物だ」と信じていると証言した。