五輪女子ブレイキンで物議の豪選手、選考に疑義呈する署名活動の対象に 同国五輪委は「いじめ」と非難

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パリ五輪でのブレイキンのパフォーマンスが批判の的となった豪代表のR・ガン選手/Ezra Shaw/Getty Images via CNN Newsource

パリ五輪でのブレイキンのパフォーマンスが批判の的となった豪代表のR・ガン選手/Ezra Shaw/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) オーストラリア五輪委員会(AOC)は15日、パリ五輪で採用された新種目「ブレイキン」の同国代表として出場したレイチェル・ガン選手(36)を巡ってオンライン上で実施された署名活動を非難した。そこには同選手が代表に選出された経緯について、虚偽の内容が含まれているという。

ガン選手はシドニー出身の大学講師。五輪では米国、フランス、リトアニアの選手と対戦したが、採点では1ポイントも獲得することが出来ずに敗退した。一方で同選手の特徴的なダンスはソーシャルメディアで拡散し、様々なコメントや批評の声が寄せられた。

15日の声明で、AOCのキャロル最高経営責任者(CEO)は、署名活動について「腹立たしく、誤解を招く内容でいじめに該当する」と非難。「数多くの虚偽内容を含めることで、豪州五輪代表に選ばれた選手に対する憎悪を引き起こそうとしている。選考は透明性と独立性を保った予選並びに推薦過程を経て実施された」と主張した。

署名を求める嘆願書は11日、アルバニージー豪首相とAOCに宛てて署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」に投稿された。そこでは証拠を挙げることなくガン選手が選考プロセスを「操作した」と糾弾。「選考の公平性と信頼性に深刻な疑問が浮上した」としている。

嘆願書はまた、ガン選手の夫が選考委員に加わっていた可能性があると指摘。同選手と豪州選手団のアナ・メアーズ団長に対して謝罪を求めている。「豪州国民に間違った情報を与え、思い込みによる心理的虐待を行い、本物のアスリートたちの努力を台無しにした」ことがその理由だという。

ガン選手はインスタグラムの動画で、自身のパフォーマンスがここまで大きな憎悪感情を生むことになるとは思わなかったとコメント。「率直に言ってかなり衝撃的だ」と明かしつつ、パフォーマンスについて前向きな声も上がっている現状に感謝を表明した。その上で「人々の人生に何らかの喜びをもたらせたのがうれしい。それが私の望んだことだ」と述べた。

キャロル氏によると、AOCは Change.orgに対して上記の署名活動を即刻取り下げるよう求めた。とりわけ代表選考に一切関与していないメアーズ団長への侮辱は不当なものだと強調した。

また署名活動は事実に基づく根拠が全くないにもかかわらず、人々の間に憎悪をかき立てていると指摘。国を代表して五輪に出場した選手がこのような扱いを受けるべきではないとし、ガン選手とメアーズ団長を支持する意向を示した。

CNNはChange.orgに詳しいコメントを求めている。

ガン選手はインスタグラムの動画を通じ、メディアに対して家族や友人、国内でブレイキンに携わる人々に嫌がらせをしないよう強く要求。そうした人々のプライバシーを尊重するよう求めた。

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