英国の覆面アーティスト、バンクシーがクリスマスに合わせ、インターネット上で作品の重量当てクイズを実施している。
対象の作品は難民で満員になったボートの模型。バンクシーが2015年、英南西部のウェストンスーパーメアに期間限定で開いたディズニーランドのパロディ版「ディズマランド」の園内に設置されていた。
応募者は難民支援に2ポンド(約290円)以上寄付したうえで、ボートの重さを予想する。正解に最も近かった人に現物が贈られる。
ディズマランドでは、英仏海峡を模したプールに数隻の難民ボートが浮かび、コインを入れて操縦するアトラクションになっていた。
バンクシーは社会的、政治的なメッセージを込めたストリートアートなどで世界的に知られている。この作品にも、欧州が直面した難民危機へのメッセージが込められていた。
クイズは、難民に贈りたい支援物資を直接選んで購入できるサイト「チューズ・ラブ」が主催している。同サイトはこのボートを「暗い風刺を込めた芸術作品か、あるいは悪趣味なリモコン玩具か」と紹介している。
ボートはリモコン式で電池付き。木製の台座を除いた総重量をグラム単位で予想するというルールだ。
船体は市販のガラス繊維製、人物は発泡プラスチックを充填(じゅうてん)した樹脂に手作業で塗料を吹き付けてある。
現物は今月いっぱい、ロンドン中心部に開設されたチューズ・ラブの実店舗に展示する。
今月22日の締め切り後にロンドン大学キングス・カレッジの学生らが実際の重さを測り、当選者にメールで通知するという。