英国の覆面アーティスト、バンクシーの新作がこのほど、英ウェールズの街角に登場した。
今度の作品は、ポート・タルボットの街中にある2つの壁に描かれた。この壁は地元の製鉄工が保有する車庫のものだという。
地元の産業の歴史に敬意を払った作品のようで、子どもが雪の中で遊んでいるように描かれている。しかし、作品を別の方向から見ると、舞っているのは、廃棄物を入れたコンテナで燃える炎からの燃えさしや煙のようだ。
バンクシーもインスタグラムで「時節の挨拶(あいさつ)」との言葉を添えて、作品が本物であることを確認した。
ニース・ポート・タルボットの議員はCNNの取材に対し、作品を称賛。「作品を見に訪れた。絵の専門家ではないものの、本物のように見えた。本物のバンクシーの作品の可能性が高かった」と語った。
別の議員は、あらゆる形態のパブリックアートを歓迎するとしながらも、絵が描かれた地域での環境問題や公害に関する懸念を認めた。同議員によれば、公害を引き起こす原因ともなっている高速道路について地元政府が改善の取り組みを進めている。地元に工場を持つ鉄鋼メーカーのタタも環境の改善に向けて多額の投資を行っているという。
カーディフ大学講師のガレス・トーマス氏はツイッターへの投稿で、作品について、製鋼所のある町は頻繁に灰に覆われるとして、「ポート・タルボットにぴったり」と指摘した。
ニース・ポート・タルボット議会によれば、作品は私有地の建物に描かれており、作品保護の支援に向けて車庫の所有者と連絡を取るという。