巨匠ピカソや英フィリップ殿下も絶賛したという著名チンパンジーが描いた絵画55点が、英ロンドンのギャラリーで12月に開かれるオークションに出品される。落札予想価格は合計でおよそ20万ポンド(約2600万円)。
出品されるのは、チンパンジーの「コンゴ」が描いた作品のコレクションで、これまで英国の著名動物行動学者で画家のデズモンド・モリス氏(91)が保有していた。1枚当たり1500~6000ポンドで売り出される。
コンゴは1950年代にモリス氏と組んで描いた絵画で一躍有名になった。一連の作品は、ロンドン動物園からの中継で放送された英国のテレビ番組「ズータイム」で紹介されていた。
3年の間に完成させた抽象画的な作品は400点に上り、コンゴが1964年に結核のため死んでから50年以上たった今も引き合いがある。
2005年にはロンドン市内で開かれたボナムスのオークションに3点が出品され、600~800ポンドという当初の予想を大幅に上回る1万4000ポンドで落札された。
オークションを主催するメイヤー・ギャラリー代表のジェームズ・メイヤー氏は、コンゴについて「素晴らしい画家だった」と評し、「単に鉛筆や紙をつかんだだけだと思われるかもしれないが、彼は何色もの色を使い、考えてから描いていた」と話している。