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「子羊の目が不気味」、復元された15世紀絵画に戸惑いの声 ベルギー

子羊を描いた15世紀ベルギーの祭壇画の復元が進んでいる

子羊を描いた15世紀ベルギーの祭壇画の復元が進んでいる/KENZO TRIBOUILLARD/AFP/Getty Images

ベルギーで復元作業が進む15世紀の祭壇画をめぐり、本来の姿に戻った子羊の目が不気味だとして、美術愛好家から戸惑いの声が上がっている。

新たに復元が完了したのは、ヤン・ファン・エイクと兄フーベルトによる「ヘントの祭壇画」のパネルのひとつ。祭壇画は完成直後に上塗りされたが、ベルギーでは本来のデザインを復元するプロジェクトが進行中で、その一環として昨年12月に子羊を描いた部分が公開された。

同絵画は別名「神秘の子羊の礼拝」とも呼ばれ、イエス・キリストを表す子羊が祭壇で生贄(いけにえ)にささげられる様子が描かれている。

この聖なる子羊をめぐり、アマチュアの美術批評家から、人間のような目がリアル過ぎて怖いという声が相次いだ。

復元プロジェクトを統括するエレーヌ・デュボワ氏は専門紙の取材に、子羊の本来の姿が明らかになり「皆が衝撃を受けた」と説明。本来の子羊は上塗り後の絵よりも「濃密なやり取りを見物人と交わしていた」としている。

ベルギー王立文化財研究所は声明で、プロジェクトによって「本来の鮮やかさ、細部の豊かさ、秀逸な色使いがよみがえり、あらゆる人が目にできるようになった」と称賛した。

復元作業の最終段階は来年始まる予定。これまでに復元されたパネルについては、2月からベルギー北西部ヘントの聖バーフ大聖堂で一般公開される。

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