新型コロナウイルス対策で日常生活が一変し、自宅で仕事をする人が世界中で増える中、落書き風の風刺画で知られる覆面アーティストのバンクシーも働き方を変え、活動の舞台を屋外から屋内に移した。
「妻は私の在宅勤務を嫌がっている」。バンクシーは15日、インスタグラムにそう投稿。自宅の洗面所やトイレに描いたネズミのイラストを披露した。
歯磨き粉のチューブを踏みつけるネズミ/Banksy
電灯スイッチのひもに尾でぶら下がるネズミや、タオル掛けからぶら下がるネズミ、歯磨き粉のチューブを踏みつけるネズミ。トイレを汚すネズミや、鏡の前で立ち上がった仲間の背にのるネズミ、トイレットペーパーの上を走るネズミもいる。
トイレットペーパーの上を走るネズミ/Banksy
バンクシーが作品を発表したのは、英イングランド南西部のブリストルで今年2月14日に壁画を描いて以来。この壁画は、壁に向かって花束を射る少女を描いたもので、矢を射るキューピッドを連想させていた。
昨年12月には、パレスチナ自治区にあるベツレヘムの現状を舞台にイエス・キリスト降誕の場面を再現した「ベツレヘムの傷痕」を披露している。
バンクシーの正体は不明だが、エージェントだった写真家のスティーブ・ラザリデス氏は昨年10月、作品を制作中のバンクシーを写した写真を公表した。ただし顔は写っていなかった。自費出版された作品集「Banksy Captured」には、バンクシーの知られざる姿をとらえた写真が多数掲載されている。