新型コロナウイルス感染対策で世界各地の美術館や画廊が休館を余儀なくされるなか、英ケンブリッジのフィッツウィリアム美術館がユニークなグリーティングカードを売り出した。所蔵する名画の人物にマスクを描き加えている。
フィッツウィリアム美術館はロックダウン(都市封鎖)措置を受け、今年3月から臨時休館となった。そこで登場したのが、「フィッツウィリアムの名画2020年版」と題したカードのコレクションだ。
The Fitzwilliam Museum/FME, Cambridge
19世紀の英画家ジョン・エバレット・ミレーの「花嫁介添人」には、ドレスと合わせた花柄のマスク。同じくミレーによる「双子、ケイトとグレースホアレ」の2人も上品なマスクを着けている。
18世紀初頭のオランダ人画家ヤン・ファン・メイヤーが描いた4姉妹もマスクをドレスに合わせ、人形にも着けさせている。
The Fitzwilliam Museum/FME, Cambridge
館長のルーク・サイソン氏は、名画に描かれた人物の印象がマスクで大きく変わり、互いにハグやキスであいさつできなくなった時代の変化も浮き彫りになると指摘。一方で「私たちは少なくとも一緒に笑い合うことができる。それは変わっていない。カードが少しでも慰めになれば」と話している。
The Fitzwilliam Museum/FME, Cambridge