人気漫画「ベルセルク」の作者として知られる漫画家の三浦建太郎さんが54歳で死去した。白泉社が20日に明らかにした。
同社の声明によると、死因は急性大動脈解離だった。
声明には「三浦先生の画業に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」との言葉がつづられた。告別式は家族で執り行われたとしている。
絵を主体とした日本式の物語表現である漫画は、文化現象の一つとして確立され、世界中のファンを魅了するに至っている。
最古の漫画は7世紀にさかのぼるとみられるが、日本で爆発的な人気を獲得したのは戦後になってからだった。
三浦さんは白泉社で多くの作品を発表してきたが、中でも「ベルセルク」は漫画史上に残る水準の売り上げを記録した。
白泉社は声明で「読者の皆様には、三浦先生の作品をご愛読いただきましたことを深謝いたしますとともに、謹んでご逝去のご報告をお知らせ申し上げます」と述べた。
白泉社が発行する青年漫画雑誌「ヤングアニマル」も声明を出し、三浦さん死去への深い悲しみをつづった。
その中で、訃報に言葉がないとしつつ、編集部での打ち合わせの時にいつも笑顔で好きな漫画やアニメ、映画について語っていたのが思い出されると、三浦さんをしのんだ。怒った顔は見たことがなく、少年のように純粋な心を持った人だったという。
三浦さんの作品を米国で出版するダーク・ホース・コミックスもツイッターに声明を投稿。以下の言葉で故人を悼んだ。
「三浦先生は偉大な芸術家にして物語作家だった。先生の素晴らしい作品のいくつかを出版できたことを大変誇りに思う。代表作『ベルセルク』もその一つだ」
「その死は大いに惜しまれるだろう。先生のご家族と愛する人たちに、謹んで哀悼の意を表します」