ロンドン(CNN) 英ロンドンのナショナル・ギャラリーで6日、有名絵画の保護ガラスを破損させたとして、環境保護団体「ジャスト・ストップ・オイル」の気候活動家2人が逮捕された。ロンドン警視庁が明らかにした。
同団体のX(旧ツイッター)アカウントに投稿された動画には、ジャスト・ストップ・オイルの白いTシャツを来た活動家2人が、ベラスケスの17世紀の作品「鏡のビーナス(ロークビーのビーナス)」を保護するガラスをオレンジの安全ハンマーで割る様子が映っている。
この絵は以前にも、女性参政権活動家メアリー・ローリー・リチャードソンによる1914年の抗議活動で破損したことで知られる。
ナショナル・ギャラリーはXで、現地時間6日午前11時前に抗議活動が行われたことを受け、来館者を部屋から退去させて警察を呼ぶ対応を取ったと明らかにした。
そのうえで「絵は現在、保存担当者が調査できるように展示から外されている」と付け加えた。
ロンドン警視庁は「ジャスト・ストップ・オイルの活動家2人が器物損壊容疑で逮捕された。ナショナル・ギャラリーにある絵の保護ガラスが破壊された」とツイートした。
トラファルガー広場から議会議事堂へ伸びるロンドンの目抜き通り「ホワイトホール」には同日、ジャスト・ストップ・オイルの活動家が大勢集結した。同団体によると、警察が逮捕に乗り出す前に100人以上が一帯を行進したという。
ロンドン警視庁は「15分以内に、ゆっくり行進していた活動家少なくとも40人を逮捕した」と投稿。「ホワイトホールの安全は確保された。逮捕者の数についてはいずれ情報を更新する」としている。
ジャスト・ストップ・オイルは近年、複数の美術作品を標的にしており、その中にはゴッホの「ひまわり」やダビンチの「最後の晩餐(ばんさん)」の複製画、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」も含まれる。
またゴルフの全英オープンやテニスのウィンブルドン選手権、クリケットのイングランド対オーストラリア戦、世界スヌーカー選手権など、英イングランドで今年開催された主要なスポーツ大会で妨害行為を行ったほか、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の公演を妨害したこともある。