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レッド・ツェッペリンのジャケットに登場した「老人」、正体が判明

「レッド・ツェッペリンIV」のアルバムジャケット

「レッド・ツェッペリンIV」のアルバムジャケット/From Atlantic Records

ロンドン(CNN) 50年以上の時を経て、「レッド・ツェッペリンIV」のアルバムジャケットに映る杖をついた老人の正体がついに判明した。

英ロックバンドのレッド・ツェッペリンが1971年にリリースした4枚目のスタジオアルバムのジャケットになった「まきを背負った老人」は、ビクトリア朝時代後期の屋根ふき職人だった。イングランド南西部にあるウィルトシャー博物館が8日声明を発表した。

「まきを背負った老人」の原本とみられるモノクロ写真/Courtesy Wiltshire Museum
「まきを背負った老人」の原本とみられるモノクロ写真/Courtesy Wiltshire Museum

この屋根ふき職人は1823年にウィルトシャーのミアという町で生まれたロット・ロング氏(時には「ロングイヤー」としても知られる)と思われる。写真が撮影された時期は妻を亡くし、小さな小屋で一人暮らししていた。博物館によると、93年に他界したという。

発見者は西イングランド大学ブリストル校地域史センターの客員研究員ブライアン・エドワーズ氏。「ウィルトシャーの屋根ふき職人」と手書きされた原本のモノクロ写真を発見した。

エドワード氏は8日、BBCラジオ・ウィルトシャーに出演し、写真の隅に親指の指紋が付着していることから原本だと思われると語った。

写真が収められていたのは、「シャフツベリーを訪れた時の思い出。聖霊降臨節、1892年。アーネストからおばさんへのプレゼント」と題したビクトリア朝時代のアルバムで、博物館によれば建築物や街角の風景など100点以上が収められ、地元の労働者のポートレート写真も数点あったという。

エドワーズ氏は声明の中で、「レッド・ツェッペリンは自分の青春時代を彩ったサウンドトラック。今回ビクトリア朝時代の写真が発見されたことで、(現存するバンドメンバーの)ロバート、ジミー、ジョン・ポールも面白がって喜んでくれたらうれしい」と述べた。

自家用機の前でポーズをとるレッド・ツェッペリンのメンバー=1973年/Hulton Archive/Getty Images
自家用機の前でポーズをとるレッド・ツェッペリンのメンバー=1973年/Hulton Archive/Getty Images

エドワーズ氏によれば、アルバムの手書きの筆跡がインターネットで見つけた署名と部分的に一致したことから、写真を撮影したのはビクトリア朝時代に活躍した写真家のアーネスト・ハワード・ファーマー氏だと思われるという。

西イングランド大学によると、バンドのリードシンガーであるロバート・プラント氏が南イングランドのバークシャーで、ギタリストのジミー・ペイジ氏の自宅付近にあるアンティークショップでこの写真の彩色バージョンを発掘したと考えられている。

「レッド・ツェッペリンIV」のジャケットに映っているのは彩色されたこの写真のみで、珍しいことにバンドの名前はおろか、文字は一切表記されていない。

声明によると、このアルバムは1971年のリリース以来、全世界で3700万枚以上のセールスを記録しているという。

結果として、年季の入った顔と白いひげをたくわえ、長い杖を握りしめて背中に背負ったハシバミのまきの重みを支える老人の姿は有名になった。

博物館のデビッド・ドーソン館長は声明の中で、「田舎と都会の対比というテーマがレッド・ツェッペリンによってどのように掘り下げられ、70年の時を経て象徴的なアルバムジャケットの中心となったのかを見るのは興味深い」と述べた。

原本の写真は来年春、ビクトリア朝時代にイングランド西部で撮影された他の写真とともにウィルトシャー博物館で展示される予定。

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