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贋作師のローマ工房を警察が捜索、ピカソやレンブラント装う数十点発見 イタリア

イタリアの警察は贋作の制作が行われたローマの工房を摘発した

イタリアの警察は贋作の制作が行われたローマの工房を摘発した/Carbinieri Command for the Protection of Cultural Heritage

(CNN) イタリアの警察が、ピカソやレンブラントといった有名画家の作品に見せかけた贋作(がんさく)数十点を、「秘密の絵画研究所」から押収した。

警察の発表によると、捜査はイタリアの芸術文化警察にあたるカラビニエリ文化遺産保護作戦班が主導。ローマ検察と連携してネットで売りに出されていた贋作の捜索を開始し、捜査に乗り出した。

警察は計71店の絵画を発見したと述べ、容疑者は「本物かどうか疑わしい数百点の作品」をイーベイやCatawikiなどのサイトで販売していたと言い添えた。

中にはパブロ・ピカソやレンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レインなどの作品と偽った絵画も含まれていた。

また、マリオ・プッチーニ、ジャコモ・バッラ、アフロ・バサルデッラといった著名画家の作品に見せかけた贋作もあった。

警察は、こうした絵画を制作している工房がローマ北部の住宅にあることを突き止めた。

警察が踏み込んだところ、贋作を制作する専用の部屋が作られているのを発見。絵の具や筆、イーゼル、さらには偽造された画廊の印章や画家の署名などを押収した。

未完成の作品も発見された。容疑者が最近まで作業をしていたとみられている/Carbinieri Command for the Protection of Cultural Heritage
未完成の作品も発見された。容疑者が最近まで作業をしていたとみられている/Carbinieri Command for the Protection of Cultural Heritage
画家の署名や鑑定書を偽造する道具も押収された/Carbinieri Command for the Protection of Cultural Heritage
画家の署名や鑑定書を偽造する道具も押収された/Carbinieri Command for the Protection of Cultural Heritage

警察が「贋作修復師」と形容する容疑者は、絵画を偽造して贋作の鑑定書を偽造するタイプライターやコンピューター機器まで所持していた。

警察によると、容疑者が使った手口の一つは、オークションのカタログを加工して、画家の本物の作品の写真を自分の制作した贋作の写真と入れ替えることだった。そうすることで、贋作を本物のように見せかけていた。

容疑者の机の上からは、さまざまな画家の署名が入ったまだ制作中の作品も見つかっており、容疑者は最近まで贋作を作っていたと警察は見ている。

まだ逮捕者は出ておらず、当局は容疑者の氏名を公表していない。

イタリアの当局が贋作を発見したのは今回が初めてではない。1969年に創設されたカラビニエリ芸術警察は、芸術と文化に関連した犯罪対策を専門としている。

2023年には墓地や遺跡から盗まれた美術品数千点を回収していた。

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