ローマ(CNN) 古代ローマの街ポンペイの廃墟で、また新たな発見があった。今回は同時代のローマ人の奔放な一面に光を当てる内容だ。
現在発掘中の区画から見つかったのは「メガログラフィア」として知られる極めて希少な壁画で、等身大の人物などが描かれている。ポンペイの発見の中でも最も重要な部類の遺物となる。
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壁画に描かれる人物には男女の聖職者、楽師、狩人などが含まれる/Silvia Vacca/Pompeii Sites
壁画が見つかったのは庭に面した大きな宴会場。壁画の描かれた年代は紀元前1世紀で、それから100年近く経過した紀元79年にはベスビオ火山が噴火し、ポンペイは火砕物に埋もれた。この噴火で住民2000人以上が死亡した。
最新の発見はポンペイの中央部レギオ9区に位置し、古代ギリシャの酒の神「ディオニュソス」の行列の様子が壁や柱に赤色を基調として描かれている。
壁画には踊る巫女(みこ)や、フルート奏者、肩に獲物を乗せた男女の狩人なども登場する。
壁画の中央、ディオニュソスの従者「サテュロス」 の隣には女性が立ち、ディオニュソスの秘儀を開始しようとしている。
壁画に描かれた人物は全員台の上に乗っている。人物画の上部には動物や海の生物、かごに入った海産物などが描かれている。
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一般公開予定の当該の部屋に入れるのは、一度につき15人まで/Silvia Vacca/Pompeii Sites
ポンペイ考古学公園の責任者、ガブリエル・ツフトリーゲル氏は、これらのフレスコ画について、宴会に出席した客らを喜ばせる意図があったと説明する。
「古代の人々にとって、ディオニュソスの巫女は野性的で自由奔放な女性の一面を表現するものだった。彼女らは子どもも家も街も顧みず、男性の命令からも解き放たれて自由に踊る。山や森で狩猟をし、生肉を食べる」「言い換えれば、それは『上品な』女性の対極に位置する。そうした女性は愛と結婚の女神ビーナスを模倣し、鏡に映った自身の姿を眺め、『着飾っている』」(ツフトリーゲル氏)
考古学公園によれば、当該の部屋は「ティアソスの家」と命名された。ティアソスは、ギリシャ語でディオニュソスの信奉者らによる行列を指す。部屋は今後間もなく一般公開される予定で、一度に入場できるのは15人だという。
最近のレギオ9区での発掘では、約3200平方メートルの範囲を調査。豪華な浴場や風変わりなフレスコ画、パンの製造所が見つかっていた。
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原文タイトル: Newly discovered Pompeii frieze shows wild Bacchanalian rituals
(抄訳)