英国ロンドンにある「帝国戦争博物館」が収蔵していた第2次世界大戦時のカラー写真を編集した新たな書物が今年4月に刊行されることになった。
同博物館が企画した書物の題名は「War in the Air:The Second World War in Colour」。1939〜45年の戦況で空中戦が果たした役割に注目し、連合軍の制空権を守り、敵の標的を攻撃した操縦士や軍用機などに焦点が当てられている。
爆撃機「アブロランカスター」の出撃100回を祝う人々/IWM TR 1795
英国、英連邦諸国や米国の各空軍が欧州や地中海で遂行した作戦の写真で、1枚には搭乗前に英軍機の前でヘルメットの装着を調整する操縦士の表情がとらえられている。
=1944年、フランス/IWM FRE 7212
100回目の出撃を終えて無事に帰還した英空軍の当時の爆撃機「ランカスター」の周りに集まって祝う空軍兵士らや北アフリカのチュニジアの砂漠で1943年、離陸を待つ複数の英空軍戦闘機「キティホーク」の姿なども含まれている。
離陸を待つ「キティホークIII」=1943年、チュニジア/IWM TR 975
書物の作者でもある同博物館のイアン・カーター上位学芸員は第2次世界大戦時、カラー写真は希少でフィルムもほとんど流通しておらず、現像費も高かったと指摘。
書物の中に含まれた各写真は博物館の修復担当者によって色彩の正確さなどを再生させるため注意深い処理作業が施されたと説明。長年の経過で色などが落ちていた細部も再現させたとした。
南ローデシアの航空学校/IWM TR 1263
同博物館が収蔵する写真は約1100万点。2017年には「The Second World War in Colour」と題した書物も出版していた。