オーストラリアで新しい50セント硬貨が発行された。先住民の14言語で「硬貨」を意味する単語があしらわれているが、その多くが絶滅の危機にさらされている。
新硬貨はオーストラリア王立造幣局とオーストラリア・アボリジニ・トレス海峡諸島民文化研究所(AIATSIS)が共同で制作し、国連の「国際先住民族言語年」に合わせて発行された。
南オーストラリア州アデレードで8日に行われた発表会では、この地域の先住民の言語ガーナにスポットが当てられた。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)によると、世界では1000以上の言語が深刻な絶滅の危機にさらされている。先住民の言語は1950年に記録を取り始めて以来、数百あまりが絶滅した。
オーストラリアでは1788年に欧州による侵略が始まって以来、約130の先住民言語が死に絶えた。硬貨にあしらわれた空白は、そうした失われた言語を表している。
AIATSISのクレイグ・リッチー最高責任者(CEO)は、「新しい硬貨の発行は、6万年以上にわたって我が国を形作ってきた多様な文化を改めて認識する契機になる」とコメントしている。