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タイタニック号の遺品、最も裕福な乗客の金時計が2.3億円で落札 過去最高額

富裕なタイタニック号の乗客が所持していた金の懐中時計が2億3千万円で落札された

富裕なタイタニック号の乗客が所持していた金の懐中時計が2億3千万円で落札された/Henry Aldridge and Son Ltd

(CNN) 海底に沈んだ豪華客船タイタニック号の乗客だったジョン・ジェイコブ・アスター4世が身に着けていた金時計がこのほど競売にかけられ、タイタニック号関連の品としては過去最高額の117万5000ポンド(約2億3000万円)で落札された。アスター4世は財閥のアスター家の一族で、タイタニック号の乗客の中で最も裕福な人物だった。

金時計の予想落札額は10万~15万ポンドだったが、27日の競売ではこの10倍程度の値がついた形だ。

オークション会社、ヘンリー・オールドリッジ・アンド・サンのマネジングディレクターを務めるアンドルー・オールドリッジ氏は28日にCNNの取材に答え、落札額は「タイタニック号関連の記念品として世界記録」を樹立したと述べた。

タイタニック号は1912年4月15日、航海中に氷山に衝突して沈没。アスター4世を含む乗客約1500人が死亡した。当時身ごもっていたアスター4世の妻、マデレインは事故を生き延びた。

当該の金時計の他にも、英イングランド・ウィルトシャーに拠点を置くヘンリー・オールドリッジ・アンド・サンは注目の記念品を数多く出品した。このうち小型のスーツケースは、船が沈む中演奏を続けたことで知られる楽団のリーダーが弾いていたバイオリンを入れるためのもの。他にもタイタニック号の航海日程を記した手帳などが含まれる。

小型のスーツケースは36万ポンドで落札。バイオリン本体は2013年、同じオークション会社を通じて110万ポンドで落札されており、今回アスター4世の懐中時計が落札されるまでタイタニック号関連の品目として最高額を記録していた。

オールドリッジ氏はCNNに対し、「こうした比類のない歴史的な品にこれだけの値がついたのは、品目自体の重要性もさることながらタイタニック号の物語並びに乗客、乗員の思い出に対する関心が現在も続いていることを反映している」と語った。

タイタニックの楽団を率いていたウォレス・ハートリーの小型スーツケース/Henry Aldridge and Son Ltd
タイタニックの楽団を率いていたウォレス・ハートリーの小型スーツケース/Henry Aldridge and Son Ltd

オークション会社によれば、金時計はアスター4世の遺体と共に見つかった所持品の一つ。所持品には金のカフスボタン、ダイヤモンドの指輪、現金、手帳などが含まれる。

アスター4世の遺体を回収した後、これらの所持品は息子のビンセント・アスター氏に送られた。同氏は時計が動くように完全に修復した。

1935年、ビンセント氏は時計をウィリアム・ドビン4世の幼い息子に洗礼式の記念として贈った。ドビン4世は、アスター4世の社長室長を務めていた。オークション会社が明らかにした。

オールドリッジ氏はCNNの取材に答え、ドビン家は時計を90年代後半まで所有したと述べた。時計はその後競売にかけられた。

この競売では名前の明かされていない米国の収集家が時計を落札していた。以後、時計は複数の博物館で展示されている。

「従って、時計が作られてからの間、文字通り数百万人の人々がこれを目にしてきた。驚くべきことだ」(オールドリッジ氏)

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