(CNN) 米大リーグのニューヨーク・ヤンキースの伝説的名選手ベーブ・ルースが史上最も有名な本塁打の一つを打った際に着用していたユニホームが25日、競売に出品され、2412万ドル(約35億円)で落札された。スポーツ関連の落札額としては史上最高額となった。
米テキサス州ダラスに本社を置くヘリテージ・オークションズによれば、約6時間にわたる「スリル満点の入札合戦」の末、今回のユニホームが過去最高の落札額を記録した。これまでの最高額は2022年8月に1260万ドルで落札されたミッキー・マントルの1952年のベースボールカードだった。
ルースは32年、シカゴ・カブスとのワールドシリーズの第3戦でビジター用のグレーのユニホームを着用した。背番号は3番。ルースは5回に観覧席に本塁打を打ちこむ前、センターに向かって何か身振りをしているように見えた。
ヘリテージ・オークションズは声明で、過去92年にわたり、ルースの「予告本塁打」は「際限なく称賛され、模倣され、複製された」ことで球界の伝説でも有名なものとなったと説明した。だが、例えば旗用のポールなど球場のどこか奥やカブスの投手など、ルースが実際にどこを指していたのかについては長年にわたり論争の的となっている。
ヘリテージ・オークションズのスポーツ競売部門のディレクター、クリス・アイビー氏は競売前、CNNの電話取材に対し、「この『予告本塁打』はほぼ100年が経った今も語り継がれているが、信じられないことだ。そして、我々が予告本塁打について議論しているのは、論争があるからであり、謎があるからだ」と述べた。
「ルースは本当に予告をしたのか。球場にいる誰かの粒子の粗い映像があるため、ルースが指していることはわかるものの、その映像からはルースがどの方向を指しているのかは分からない」(アイビー氏)
1930年ごろのベーブ・ルース/MPI/Getty Images
米野球殿堂博物館によれば、39年まで野球の試合はテレビ放映されず、そのため、その日に何が起きたのかを最初に伝えるのは現場にいた記者ということになる。
ヘリテージ・オークションズによれば、スポーツ記者のジョー・ウィリアムズ氏が予告本塁打についてビリヤードの試合に例えて最初に報じ、ルースもすぐに記事について認めた。
1932年に本塁打を予告したときに着用していたユニホーム/Heritage Auctions/HA.com
これはルースにとって最後のワールドシリーズで着用したユニホームとなった/Heritage Auctions/HA.com
ルースの球界でのキャリアは22シーズンにわたり、714本の本塁打を打ったほか、7度にわたりワールドシリーズを制覇した。ルースは投手や外野手としてヤンキースで活躍した時期が有名だが、ボストン・レッドソックスでも3度のワールドシリーズ制覇を遂げている。36年には野球の殿堂入りに選出された最初の5人のうちのひとりとなった。
2019年、ルースが1928~30年に着用したユニホームが564万ドルで落札され、当時としてはスポーツ関連用品の落札額として過去最高を記録した。このときは、過去の最高額440万ドルを上回ったが、440万ドルで落札されていたのも別のルースのユニホームだった。
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原文タイトル: Iconic Babe Ruth jersey sells for record $24 million(抄訳)