フェイスブックにシリア大統領のページ登場、広告は削除
(CNN) 3日に投票が始まったシリア大統領選に関連して、交流サイトのフェイスブックにアサド大統領陣営側の広告が掲載されていたことが分かり、反政権側の団体がフェイスブックに広告料の返上を求めている。
問題の広告は、フェイスブック上に開設されたアサド大統領陣営の選挙運動ページを宣伝する内容だった。フェイスブックは広告の削除に応じる一方で、選挙運動ページは削除せず、広告料を返上するかどうかは明らかにしていない。
これに対して反政権側の団体は2日、「フェイスブックは残忍な衝突の中心にある政権に宣伝の場を提供した」と批判。ネットで署名運動を展開し、動画やキャンペーンサイトを通じて広告料を返すようフェイスブックに要求した。
フェイスブック上のアサド陣営ページは「アサドと共に」という名称で5月に開設され、23万超の「いいね」を集めている。内容は定期的に更新され、3日の投票に出かけるアサド大統領夫妻の写真も掲載された。
シリアの大統領選は反体制派や欧米諸国が非難する中で実施され、アサド大統領の再選は確実な情勢。
フェイスブックの担当者は「この件については徹底調査を行い、IPアドレスや決済情報も調べたが、シリアからの注文で広告が掲載された証拠は見つからなかった」と説明。「対シリア制裁に従って、シリア発の広告やシリア向けの広告は認めていない」と強調した。
アサド陣営ページについては「シリアでの出来事を巡っては幅広い意見がある」として、削除はしない意向だ。
フェイスブックなどの交流サイトはユーザーが無料で専用ページを開設でき、政治家や国家元首の参加も容認。ページ開設にふさわしい人物とふさわしくない人物について独自に判断することは一般的には避けている。
アサド陣営はツイッターやインスタグラム、ユーチューブにもアカウントを持ち、定期的に情報を更新している。