グーグルの地図に殺人現場?
(CNN) 米グーグルの地図サービスで周辺の画像が見られる「ストリートビュー」に、殺人現場が写っている――。英紙が報じたそんな事件を巡り、CNNが事実関係の取材に乗り出した。
現場は英スコットランドのエディンバラ。地図を拡大していくと、地面に倒れた赤いつなぎ姿の男性と、それを見下ろすように立つ男の姿が見える。男はおのを手に持ち、顔をカメラの方に向けて平然とした様子だ。
地面に倒れているダン・トンプソンさんはこの地域で30年前から自動車工場を営む経営者。そしておのを持つ男は従業員のギャリー・ケールさん。
さらに拡大してみると、ケールさんの表情には笑みが。そして「被害者」のトンプソンさんも、実はすべてやらせだったと明かして笑った。
話は2012年8月にさかのぼる。「ストリートビューの撮影車が通りかかるのをたまたま見かけ、あと30秒でこっちにやってくると分かった」とトンプソンさんは振り返る。
「そこでギャリーをつかまえて、おのを持たせた」。長年トンプソンさんの下で働いてきたケールさんは、この冗談にすぐ乗り気になった。
やらせ場面を撮影した画像はグーグルの地図サービスに掲載され、数カ月後、取引先が「大笑いしながら」電話してきたとトンプソンさん。警察もやってきたが、客だったこともある女性警官は事情を察していて、「ニヤニヤしながらやって来て、爆笑しながら帰って行った」という。
グーグルからの連絡はなかったが、トンプソンさんは「ストリートビューの宣伝になったので、喜んでもらえたはず」と胸を張る。しかし「5月29日にストリートビューの撮影車が通った時には何も演出できなかった」と悔しがった。
グーグルにも取材を試みたがノーコメントだった。