テロ容疑者のスマホのロック解除命令、アップルが拒否
(CNN) 昨年12月に米カリフォルニア州サンバーナディノで起きた銃乱射事件の捜査を巡り、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は18日までに、容疑者のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のデータ解析を試みる米連邦捜査局(FBI)を支援するよう求める裁判所からの命令に従えないとの考えを明らかにした。
クックCEOは公開書簡を出し、命令に従うには、iPhoneに「バックドア」を作ることになり、「あまりにも危険」で受け入れられないと述べた。
書簡で「政府はアップルに対し、利用者をハッキングし、数十年にわたるセキュリティー技術の進歩を骨抜きにするよう求めている」と指摘した。
今回の動きはアップルの顧客のセキュリティーを脅かす「前例のないもの」であり「理性のある人ならば受け入れられないことはわかるはず」だとも指摘している。
乱射事件では14人が死亡。容疑者2人も警察との銃撃戦で死亡した。
捜査当局は容疑者のiPhoneからデータを取り出す許可を得たものの、暗証番号でロックされているために内部を調べることができないという。
アップルによれば、FBIは容疑者の端末にインストールしてセキュリティー機能を迂回(うかい)できるような新しいバージョンの基本ソフトを作成するよう同社に求めているという。
アップルは過去にFBIの支援を行ったこともあるが、今回は、捜査権限を拡げる根拠として1789年に制定された法律を持ち出すという「前例のない」対応で、適用対象のさらなる拡大が懸念されるとしている。