アップルに6億ドルの賠償命令、ソフトウエアの特許侵害で
ニューヨーク(CNNMoney) 米テキサス州の地裁の陪審は4日までに、アップルに対し、メッセージソフト「アイメッセージ」やビデオ電話ソフト「フェイスタイム」などが他社の特許を侵害しているとして6億2600万ドル(約730億円)を支払うよう命じる評決を下した。
原告のバーネットX社は特許を他社から買い集めて保有する企業で、販売している製品は1つしかない。従業員数はわずか14人で、月5000ドルの賃貸オフィスで営業している。特許のライセンス料と、他社を特許侵害で訴えて得られる賠償金が収益だ。
同社の保有する特許は約80件あり、うち4件についてアップルから特許侵害されたと訴えていた。これらの特許は、サイエンス・アプリケーションズ・インターナショナル社から買い取ったという。
2012年、陪審はアップルの特許侵害を認めて3億6800万ドルの支払いを命じた。アップルは控訴し、控訴裁は地裁に差し戻す決定を下していた。
ところが裁判は必ずしもアップルの期待通りにはならなかった。新たな評決では「故意に」特許侵害をしたと認定され、賠償額も上積みされてしまったからだ。
アップルはバーネットXの特許を侵害しないよう、アイメッセージやフェイスタイムなどのソフトウエアをすでに刷新している。
バーネットXは特許侵害をめぐり、10年にはマイクロソフトから2億ドルの和解金を手にした一方で、15年には別件で同社を相手取って訴訟を起こした。だが同年にシスコを相手取った訴訟では敗訴している。