インスタグラム、身体イメージ問題への対策に言及 10代少女に「有害」との報道受け
ロンドン(CNN Business) インスタグラムは16日までに、新たな手法を模索してユーザーが自らの身体的な見た目を注視しないようにする方針を明らかにした。これに先立ち米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、インスタグラムを傘下に置くフェイスブック(FB)の研究チームが同アプリについて、10代の少女らに有害だとする見解を繰り返し示していると報じていた。
WSJによれば、FBの研究チームは過去3年にわたりインスタグラムが膨大な数の若いユーザーにどのような影響を及ぼしているかを調査した。FBは2012年にインスタグラムを買収した。
調査の結果、インスタグラムを通じて心の健康と身体イメージが損なわれる可能性があり、とりわけ10代の少女の間にそうした傾向がみられることが分かった。これまでFBの幹部らは、心の健康に関する懸念を軽視する見解をたびたび公言してきた。
WSJが入手した内部プレゼンテーション用のスライドには、身体イメージに否定的な考えを抱く心の問題について、10代少女のユーザーの3人に1人で悪化の傾向がみられるとの内容が記されていた。また自殺を考えたことがあると報告した10代のうち、英国人ユーザーの13%、米国人ユーザーの6%は、自殺願望の原因としてインスタグラムを挙げたという。
同紙によると、10代の心の健康問題の一部についてはインスタグラムに特有のものであり、ソーシャルメディア全般には当てはまらないというのが研究チームの結論だった。具体的には「社会的比較」と呼ばれる問題で、これはユーザーが自らの財力や外見、成功の度合いに関して、プラットフォーム上の他者とどれだけ同等であるかを注視する場合に起こる。
WSJは、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を含むFBの経営幹部らも上記の調査について報告を受けていると伝えた。
インスタグラムの公共政策担当責任者、カリーナ・ニュートン氏は14日、ブログへの投稿でインスタグラムが社会的比較や身体イメージの負の側面への対処に一段と注力すると明言。一つの案として、そうした内容を繰り返し閲覧するユーザーに対し、別の話題に目を向けさせて気持ちを高めてもらう仕組みの導入などを示唆した。そうした施策によって、人の外見に注目が集まるインスタグラムの風土の一部も今後は変わっていくとの認識を表明した。
一方、米コネティカット州選出のリチャード・ブルメンタール上院議員(民主党)は14日、WSJの報道から明らかなように、インスタグラムが「若者に悪影響を及ぼす」ことをFBは数年前から把握していたと指摘。自社の従業員の警告を「脇へ押しやり、利益の増大を優先させた」とFBを非難した。