米軍トップと中国の電話に批判、国防総省とホワイトハウスは擁護
ワシントン(CNN) トランプ政権末期を描いた内幕本の内容をもとに、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が越権行為に及んだとの主張がなされているのを受け、国防総省やホワイトハウスがミリー氏の擁護に乗り出した。
ミリー氏は14日、米紙ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード、ロバート・コスタ両記者による近刊「Peril(原題)」の内容をめぐり批判の矢面に立たされた。同書ではミリー氏が中国軍将官との電話で対中攻撃は検討していないと述べたこと、トランプ大統領(当時)による危険な軍事攻撃の命令の可能性を制限しようとしたことが詳述されている。
CNNなどのメディアは14日、同書の来週の出版に先駆けてミリー氏の行動について報道。トランプ氏やその協力者はミリー氏の辞任や反逆罪での裁判を求めるなど、同氏への批判を強めている。
記者に話すトランプ氏(左)とマーク・ミリー氏(右)=2019年10月7日、米ワシントン/Ron Sachs/CNP/Bloomberg/Getty Images
これに対しホワイトハウスは15日、ミリー氏を全面的に擁護した。サキ報道官は同氏を「信義を重んじる男」と呼び、バイデン大統領は「ミリー大将には大きな信頼を置いている」と述べた。
トランプ政権でミリー氏と共に働いたボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)も擁護に回った。ミリー氏の報道官は、同氏が適切に行動したとの声明を発表している。