米軍トップと中国の電話に批判、国防総省とホワイトハウスは擁護
現旧の国防当局者は、ミリー氏が不適切に行動したとの見方に反論。中国側との電話は統合参謀本部議長による他のハイレベル協議と同様の手続きに基づき、国防総省の文民と協議して行われたと述べ、ミリー氏が秘密裏に行動したとの批判を暗に退けた。
「Peril」によると、ミリー氏は2回にわたり水面下で中国軍の李作成・連合参謀部参謀長に電話をかけた。中国は米国が対中攻撃を仕掛けると見ていると示唆する情報があったためで、ミリー氏は米国は攻撃実施を検討していないと伝えて李氏を安心させようと試みた。
同書によると、ミリー氏は10月30日の電話で「攻撃する場合には、私が事前に電話する。奇襲攻撃にはならない」などと述べたとされる。
2回目の電話は1月8日。同書によると、ミリー氏は中国指導部が米議会議事堂襲撃に衝撃を受けていると知り、李氏に対して「不安定に見えるかもしれない」「だが、これこそ民主主義の本質だ。我々は100%安定している。何も問題ないが、民主主義は時にずさんに見えることがある」と述べたとされる。
同書はまた、ミリー氏が1月8日に国防総省の自室で開いた秘密会議についても詳述している。ミリー氏は会議で核兵器発射の手続きを確認し、軍幹部に対して、命令を実行する場合には自分に相談する必要があると説明。「何を言われようと、この手続きに従ってほしい。私はこの手続きの一部だ」と述べたという。
国防総省のカービー報道官は、ミリー氏の行動は核兵器の発射手順の検討で「完全に適切」であり、同氏は大統領の軍事顧問として核兵器発射のあらゆる決定に「密接に関与する」と述べた。