ソーシャルメディアは若者の精神衛生に悪影響、10代のほぼ半数が回答 米調査

SNSは若者の精神衛生に悪影響を及ぼすと、米国の10代のほぼ半数が回答した/Cavan Images/Getty Images

SNSは若者の精神衛生に悪影響を及ぼすと、米国の10代のほぼ半数が回答した/Cavan Images/Getty Images

ニューヨーク(CNN) ソーシャルメディアが若年層の精神衛生と福祉に及ぼす影響について、保護者や教育者、医療従事者、規制当局は一段と懸念を深めているが、ここへ来て米国の10代の半数近くもまた、ソーシャルメディアが概して同年代の人々に悪影響をもたらすと明言していることが分かった。さらにほぼ同じ割合の若者が、ソーシャルメディアの使用を減らしているとも回答している。

22日に公表された米調査機関ピュー・リサーチ・センターの報告で明らかになった。調査では米国の10代と保護者を対象に、ソーシャルメディアとスマートフォンを巡る認識について質問した。ピューが昨年12月に発表した調査では、米国の10代の半数近くがほぼ常時ネットに接続しているとする結果が出ていた。

ピューは昨年9~10月、米国の13~17歳の若者1391人とその保護者を調査した。

それによると10代の回答者のうち48%は、ソーシャルメディアについて「大半は悪い」影響を同年代に及ぼすと述べた。2022年の別の調査で同じ質問をしたときには32%だったが、そこから増加した。今回、「大半は良い」影響を同年代に及ぼすと回答したのは11%のみだった。

同年代ではなく自分自身に対してソーシャルメディアがほとんど悪い影響を及ぼすとした回答は14%だけだったが、それでも前回の9%より増加した。

ソーシャルメディアに費やす時間が多すぎるとの回答は前回の36%から45%に増加。さらに10代の44%は、ソーシャルメディアとスマートフォンの使用時間を減らしたと回答した。

調査報告書が引用したある10代の少年は、「社会におけるソーシャルメディアの過剰使用は、私の年代がうつ病を抱える主因になっていると思われる」「人々は自分から進んで見ず知らずの人間の意見に影響されているように見える。それで精神状態を乱している」と指摘する。

報告が示唆するところによれば、ソーシャルメディアの影響は性別や人種、民族性に従ってある程度変化する。たとえば10代女子は10代男子と比較してソーシャルメディアの害に言及する傾向がやや高い。具体的には睡眠時間や生産性、精神衛生、自信に悪影響を及ぼすと回答している。

ソーシャルメディアの使用を減らしたとする回答は女子で48%、男子で40%だった。

10代の精神衛生に悪影響を及ぼすものとして、保護者の44%はソーシャルメディアを、14%はテクノロジー全般を挙げた。これに対し10代の若者らでソーシャルメディアを挙げたのは22%、テクノロジー全般を挙げたのは8%とかなり少なかった。

ソーシャルメディアに肯定的な見解としては、10代の10人中6人近くが「自らの創造性を発揮する場を与えてくれる」と回答。さらに多くの回答者が、友人の近況に関与し続けられる点を挙げた。

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