米国務長官、ウクライナ協議を欠席へ ゼレンスキー氏は米国の和平案を拒否
(CNN) 米国のルビオ国務長官が、ロシアによるウクライナ戦争の終結に向けてロンドンで23日に開かれる協議を欠席する見通しであることがわかった。ウクライナ側は、3年に及ぶ戦争の終結に向けたトランプ米政権の提案に盛り込まれた重要項目を拒否する構えを示していた。
ルビオ氏は、ウクライナや英国、欧州の当局者らとの協議に出席するとみられていたが、国務省報道官は22日、「物流的な問題」で欠席すると明らかにした。
報道官によると、代わって、ケロッグ・ウクライナ担当特使が米国を代表する。今回の会合は、先週パリで米英仏独の当局者が米国案の停戦枠組みを協議した会合に続くもの。
事情に詳しい当局者がCNNに語ったところによると、米国の和平案には、ロシアが2014年に不法に併合したクリミア半島に対するロシアの支配を承認することが含まれる。また、前線での停戦を発効させる内容も盛り込まれているという。
クリミア支配承認の動きは、米国が10年にわたり維持してきた政策を転換させることになる。
ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシアとの協議に前向きな姿勢を示す一方、ロシアのクリミア支配を認める合意は受け入れられないと強調した。
ゼレンスキー氏は記者団に「ウクライナはクリミア占領を法的に認めない」「話し合うことは何もない。我々の憲法に反する」と語った。
ルビオ氏はSNS「X」への投稿で、23日の協議を主催する英国のラミー外相と「生産的な対話」を行い、後日、英国とウクライナと改めて協議することを「楽しみにしている」と述べた。