米ハーバード大学、トランプ政権を提訴 連邦資金と学問の自由巡る争いは法廷へ

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ハーバード・ヤードに集う人々=17日、マサチューセッツ州 ケンブリッジ/Sophie Park/Getty Images

ハーバード・ヤードに集う人々=17日、マサチューセッツ州 ケンブリッジ/Sophie Park/Getty Images

(CNN) 米ハーバード大学が21日、トランプ政権を提訴した。名門のアイビーリーグ校に対する制度的な監督、独立性、連邦政府からの資金援助を巡る争いが改めてエスカレートした形だ。

アラン・M・ガーバー学長は、学内のコミュニティーに宛てた書簡の中で、同校に対する最近の政権の対応激化は、「患者、学生、教職員、研究者、そして世界における米国の高等教育の地位にとって、現実的に深刻な結果をもたらす」と述べた。

CNNはこの訴訟についてホワイトハウスにコメントを求めている。

トランプ政権はハーバード大学に対し、2023年10月以降に作成された学内の反ユダヤ主義や反イスラム的偏見に関するすべての大学報告書へのアクセスを要求している。これは同校との対立の強化につながる。政権が国内のエリート大学を自分たちの政治イデオロギーに沿わせようと広範な措置を講じる中、ハーバード大学は連邦政府から拠出される数十億ドルの資金を失うリスクに直面している。

「政府は反ユダヤ主義の懸念と医学、科学、テクノロジーその他の研究との間にいかなる合理的な関連も認めておらず、また認めることもできない。これらの研究は米国人の命を救い、米国の成功を促進し、米国の安全保障を維持し、技術革新における米国の世界的リーダーとしての地位を維持することを目的としているにもかかわらず、政府によって凍結された」。21日に提出された訴状はそう述べている。

ユダヤ人であるガーバー氏は書簡の中で、反ユダヤ主義の台頭に正当な懸念があることは承知しており、大学には 「我々のコミュニティーにおける不寛容に対処する 」ための作業部会が存在すると説明した。

ハーバード大学はここまで、キャンパス内外でトランプ政権に対する反抗の象徴として浮上してきた。保健福祉省の公民権局が19日に同大指導部に宛てた書簡によれば、大学は学内の反ユダヤ主義や反イスラム的偏見と闘うための作業部会が作成した報告書を、一般には非公開の草稿も含めてすべて提出しなければならないとしている。

米メディア、ザ・フリー・プレスが公表したこの書簡では、報告書の作成に関わった人物の氏名も要求。これらの人物について、連邦政府当局者の事情聴取に応じるべきだとも述べている。

この書簡は、トランプ政権とハーバード大学との対立激化を示す最新事例の一つ。同大のユダヤ系団体や学生たちは、ホワイトハウスの最近の脅し(研究資金の引き揚げから留学生の受け入れ資格の停止まで)について、自分たちをより安全にするわけでもなければより歓迎するものでもないと批判。一部からは 「より広範な政治的目標のための手駒」にするものだと訴える声が上がる。

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