チェルノブイリ上空の飛行ツアー実施 原発事故から35年
(CNN) 世界最悪の惨事を招いたウクライナのチェルノブイリ原発事故発生から35年を迎え、事故が起きた原発と、廃虚となったプリピャチの町を上空から見学するツアーが企画された。
ツアーはウクライナ国際航空が今月25日に実施する。チェルノブイリ原発の4号機が爆発したのは1986年4月26日。放射性物質を含んだ噴煙は欧州の上空を覆った。
ツアー料金は2970ウクライナ・グリブナ(約1万1000円)。参加者はエンブラエルの旅客機に搭乗して首都キエフのボルィースピリ空港からチェルノブイリへ向かい、原発周辺の立ち入り禁止区域を上空から見学する。
ツアー参加者が操縦室の中で操縦士と一緒に写真を撮る機会もあるという。ボルィースピリ空港に駐機しているボーイング777型旅客機の見学もツアー料金に含まれる。
チェルノブイリ上空では許容限界の900メートルにまで高度を下げ、安全性を損なうことなく原発にできるだけ接近するとしている。
機内案内は、立ち入り禁止区域ツアーで有名な旅行会社チェルノブイリ・ツアーのガイドが担当する。
戦争や災害などの歴史的な現場を訪ねる「ダークツーリズム」の先駆けともいえるチェルノブイリ遊覧ツアーだが、コロナウイルス禍がなければ実現は不可能だったと主催者は言う。「利用できる航空機があって、われれわれもクリエーティブなプロジェクトに充てられる時間があり余っていた」とウクライナ国際航空の担当者は話している。