「今こそウクライナ観光」、首都キーウや虐殺の地ブチャ訪問を売り出し
タラネンコ氏によると、危険はあってもウクライナ観光の需要はあるという。これまでに売れたチケット150枚のうち、15枚の買い手は米国人だった。
ツアーの参加者は10人限定で、空襲警報が鳴った時の避難場所など、重大な事態を想定した備えもあり、その場所に詳しいガイドが具体的な指示を出すことを保証するとタラネンコ氏は説明する。「勝手に10メートル左へ、あるいは10メートル右へはみ出せば、地雷や爆弾を踏むかもしれない」
「例えばブチャ地域では、いつ爆発するか分からない爆弾が仕掛けられた森がある」
ツアーの時間は3~4時間で、希望があれば延長もできる。チケットの収益は、戦争で難民や避難民となった人の支援に充てられるという。
ツアーの目的地には、首都キーウ郊外のブチャやイルピンなど、ロシア軍の残虐行為が伝えられた地が含まれる。キーウの1日ツアーや、スムイ、リビウ、オデーサを訪れるツアーもある。
一方、マリウポリやミコライウなど、ロシアに占領された都市やロシア軍の攻撃が続く都市に観光客が近づくことはできない。
しかしタラネンコ氏は、来年になればそうした都市にも観光客を案内できるようになり、きっと戦争は終わっているだろうと期待を語った。