「今こそウクライナ観光」、首都キーウや虐殺の地ブチャ訪問を売り出し
侵攻を受けて避難していた市民の多くは、特に首都キーウでは、元の場所に戻っていると同氏は言い、「ウクライナは復興している。人々は都市に戻り、自治体は再建に乗り出し、都市は恐怖からよみがえって、国内には100万人の外国人がいる。キーウは今、最も訪れやすく安全な場所だ」と力説する。
ウクライナ政府も、壊滅状態となった観光業界を支える取り組みとしてこのツアーを評価しているが、観光促進を正式に承認しているわけではない。
ウクライナ観光開発局のマリアナ・オレスキウ局長は「今訪れるのは適切ではない。だが我々が勝利して戦争が終われば、ウクライナを訪れるよう呼びかける」と語った。
オレスキウ局長によると、ウクライナの国内旅行は戦争前の50%の水準にまで戻っているという。しかし外国人観光客にとっては危険が大きすぎて時期尚早だと述べ、観光業を支える手段としてツアーを購入することもできると提案した。
ウクライナは戒厳令が出され、空の便の運航はストップしているが、外国からの渡航者は欧州につながる同国の検問所を経由して陸路で比較的簡単に出入国できるとタラネンコ氏は言う。
これに対して旅行の安全に詳しい専門家のチャーリー・マグラス氏は、ウクライナは安全そうに見える地域でも危険は大きいと指摘する。
もしも渡航する場合、ツアーの安全対策や、自分が負傷した場合、あるいはガイドが死亡した場合はどうなるのか確認する必要があると同氏は指摘。病院の状況などにも疑問があると述べ、「渡航は思いとどまるよう勧告する」とした。