個人の大邸宅に戦闘機100機以上を展示 フランス
空前の規模の個人コレクション
元軍人のミシェル氏は、80年代半ばにフランス空軍に対し問い合わせた。すでに退役したミラージュIII戦闘機の1機を引き取り、シャトーに展示できないかというのがその内容だ。希望は受け入れられ、その半年後には世界最大規模の個人的な戦闘機コレクションの「核」となる戦闘機がサヴィニー・レ・ボーヌに向かっていた。
誇張ではなく、ミシェル氏のコレクションにはかなりの数の国立航空宇宙博物館が羨望(せんぼう)の眼差(まなざ)しを向けるだろう。
邸宅の敷地内には、メーカーや出所が異なる約100機の飛行機が完璧に並べられており、フランスの戦闘機ミラージュやミステール、米国のジェット戦闘機F100シリーズ、ソ連の戦闘機ミグやスホイなど、20世紀に活躍した名だたる戦闘機やヘリコプターがそろっている。
ミシェル、クリストフ両氏は長年にわたり、コレクションを拡大するために欧州全域に加え、それ以外の場所も探し回った。入手可能な飛行機は、解体した上でシャトー・サヴィニーに運び、現地で組み立て直した。
展示物の大きさや範囲が拡大するにつれ、そのうわさが広まり、やがてポン家は、さまざまな種類の機械を譲渡したいとの申し出を受けるようになった。
そして、その多くは最終的にシャトーに引き取られることになった。その結果、今やシャトーには、前述した航空機、アバルト製のレーシングカー、歴史的価値のあるオートバイのコレクションに加え、衛星、宇宙技術からトラクターやワイン製造機に至るまで、9つの展示エリアがある。