民主化促進と領土問題の緊張緩和――2期目のオバマ政権が取るべき対中政策とは
従って、次のステップは外交的な解決を推し進めることである。当然、中国が先に譲歩すべきだが、最低でも近い将来の紛争の深刻なエスカレートを避けるために、利害関係国にとり創造的な解決策を模索するような政策に変更すべきだ。
最後に、安全保障面ではより柔軟な対応に改めると同時に、人権問題については、より強硬な態度で臨むべきだ。
米中間の戦略的な対立関係の根本原因は、中国での一党独裁体制の継続であるため、民主化の促進と人権問題の改善は、米国の長期的な国益に資するといえるだろう。このような対中政策の調整は、米国の国益を守り、その価値を高めることにもつながる。
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本記事は、クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授(政治学)によるものです。記事における意見や見解は全てペイ教授個人のものです。