脳死の妊婦から生命維持装置外す 米テキサス州
テキサス州フォートワース(CNN) 脳死状態と診断されながら妊娠中であることを理由に延命治療が続けられていた女性が26日、人工呼吸器を外され、米テキサス州フォートワースの病院で死去した。33歳だった。
マリース・ムニョスさんは昨年11月26日に自宅で倒れているのを夫のエリック・ムニョスさんが発見し、病院で脳死を宣告された。エリックさんら家族は、機械によって生かされ続けることは望まないという本人の意思を尊重してほしいと訴えていた。
しかしこの時点でマリースさんが妊娠14週目だったことから、病院側は妊婦の生命維持治療を続けることを義務付けた州法を理由に人工呼吸器の装着を続けていた。
エリックさんは裁判所に判断を求め、人工的な延命措置は遺体を傷つける残忍な行為に当たり、本人や家族の意に反していると主張。裁判所は24日、病院側に対し、生命維持装置を27日までに外すよう命じる決定を言い渡した。
病院側も24日の時点で、ムニョスさんは昨年11月28日に脳死状態となり、胎児が生き延びることはできないと診断していた。
この問題を巡って米国の世論は二分され、病院前には「神は生命を守る」「赤ちゃんと一家のために祈りを」などと訴える人たちが集まる一方、「マリースさんに安らかな眠りを」「マリースさんの意思の尊重を」と呼びかけるグループもあった。