接着双生児の「分離手術しない」、両親が決断 米
(CNN) 接着双生児の生存率は低く、分離手術で双生児が2人とも生き残る確率はさらに低い。そのため米ペンシルベニア州在住のカップルは、生まれてきた接着双生児を分離せず、接着したままの状態を維持する決断を下した。
「2人がこんなに長生きしてくれて感謝している」と語るのは、25歳の父親コディ・スタンコンブさんだ。
また双生児の母親のミシェル・ヴァン・ホーンさんも「われわれにとって、1人だけ助かり、もう1人は亡くなるというのはつらい」と述べ、「2人は一緒に生まれてきた。一緒にいることは可能だ」と付け加えた。
ホーンさんは4月10日にこの双子を出産した。双子は胸骨から腰にかけて接着している。彼らは心臓と肝臓を共有しており、医学用語で臍帯(さいたい)結合体と呼ばれる。接着双生児の約33%が臍帯結合体の双子だが、心臓を共有しているケースはまれだ。
また接着双生児の出生もめずらしく、出生20万件に1件の確率だ。接着双生児は受精後に1つの受精卵が完全に分裂しない場合に発生する。1つの受精卵が完全に分裂した場合は一卵性双生児が生まれ、2つの独立した受精卵がそれぞれ別の精子と受精した場合は二卵性双生児となる。
接着双生児の全生存率は5~20%で、分離手術の結果、双子のうち少なくとも1人が生存する確率は約75%だ。毎年、世界で約200組の接着双生児が生まれるが、約半数が最初の誕生日を迎える前に死亡する。