「まだ闘いは終わらない」 外出認められた米看護師
(CNN) 西アフリカ・シエラレオネでエボラ出血熱の患者と接して米国に帰国し、自宅での強制隔離を求めるメーン州と対立していた看護師のケイシー・ヒコックスさんが、ある程度自由な外出を認めてもらうことで当局と合意した。ヒコックスさんは3日、CNNの取材に応じ、外出が認められても街や公共の場に出かけるつもりはないと語った。
「この町は多くのことを切り抜けてきて、まだ恐怖や誤解が残っている。そうした問題に対応しなければならない」。ヒコックスさんはそう話す。
メーン州の裁判所は10月31日、ヒコックスさんの訴えを認め、州側は強制隔離命令の必要性を証明できなかったと認定した。「エボラはほかの病気のように簡単には感染しないことが分かっている」とヒコックスさんは強調する。
ヒコックスさんは国境なき医師団のメンバーとして活動した後に帰国し、ニュージャージー州の空港に到着。この時点で熱があったとして一時的に隔離され、同州知事が打ち出した強制隔離措置に強く反発していた。
「私が闘った最大の理由は、自分がものすごい恐怖と混乱を感じたから。同僚の医療従事者が帰国して同じ状況に置かれたらと考えた。そしてこの政策を作っているのが専門家ではなく政治家だと考えるほど、闘うほかに選択肢はないという思いが強くなった」
メーン州の裁判所の判断が適用されるのはヒコックスさんのケースのみ。これから帰国する医療従事者には適用されない。「国家レベルでもっと指導力を発揮してほしい。真に必要なのは証拠に基づく政策であって、反射的な反応は考え抜かれたものではない」「まだ闘いは終わっていない」とヒコックスさんは力を込めた。