米軍、イラクの「激戦州」に顧問派遣か 戦闘任務は否定
ワシントン(CNN) 米国防総省当局者は2日までに、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)の攻勢が強まるイラク西部のアンバル州情勢に触れ、米軍顧問を同州に派遣しイラク治安部隊を支援する計画を準備していることを明らかにした。
米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長のトーマス報道官はこの計画に関連し、イラクで米軍兵士が担う任務の変更ではなく、戦闘への直接的な関与でもないと主張。これまでと同様の助言役としての任務の一環であると強調した。
報道官はCNNの取材に対し、計画は現在、検討が加えられている段階にあるとも述べた。想定する計画の実行時期などはわかっていない。
計画が承認された場合、戦況が緊迫化する地域の1つに米軍兵士が送り込まれることを意味する。首都バグダッドにも近いアンバル州では政府部隊の劣勢が指摘され、ISISが最終的に攻略するとの懸念も強まっている。
米政府はイラク内でのISIS台頭を受け、一定数の米軍顧問をイラクに送り込み、作戦立案などで支援している。派遣場所はバグダッド周辺や北部アルビルが中心。オバマ米大統領は米地上部隊のイラクへの派兵はないと断言している。
米政府当局者はアンバル州でのISIS掃討の実現にはイラク政府によるスンニ派部族への支援が必要との見方を示している。ISISは同州でスンニ派ながら政府軍寄りのアルブニムル部族を標的にした戦いを進めているともされ、同部族の約400人が最近処刑されたとの情報もある。
デンプシー議長は最近の記者会見で、この部族を支援する用意があることを示唆しながらも、イラク政府からの要請がまず必要との考えも示した。