オバマ大統領、イラクへの米兵1500人追加派遣を決断
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は7日、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うイラク人・クルド人部隊を訓練するため、最大1500人の米兵を現地に追加派遣することを決めた。これにより、イラクに駐留する米兵の規模は現在の約2倍の約2900人に拡大する。
また米政府は声明の中で、議会にISISとの戦闘に必要な資金として56億ドル(約6400億円)の追加支出を求める考えを示した。追加派遣される米兵は、現在駐留する米兵同様、戦闘には参加せず、首都バグダッドとアルビルの外にある基地から任務を行う。
今のところ、バグダッドとアルビル以外に作戦センターを設置する候補地としてアンバル州とタジ地区が検討されている。CNNは先週、米軍がアンバル州に米軍顧問を派遣する計画の準備を進めていると報じた。現在、アンバル州の大部分はISISの支配下にある。
米政府は、「大統領は、イラク政府の要請および、イラク治安部隊の要求に基づくヘーゲル国防長官と軍司令官らの進言を受け、(米兵の追加派遣の)決断を下した」としている。
今回の米政府から議会への追加支出の要求は、4日に投票が行われた中間選挙で共和党が圧勝し、上下両院を野党共和党が支配する中、今後オバマ大統領が議会指導者らと協力していけるかを占う試金石となる。
この点について、ショーン・ドノバン行政管理予算局長は「我々は、この追加支出の要求は、議会と政府が協力し、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)を弱体化させ、最終的に打倒するために必要な資金を提供するいい機会と考えている。私は、議会と連携し、この資金を確保することを楽しみにしている」と述べた。