ISISへの武力行使承認、オバマ米大統領が議会に要請
オバマ大統領は議会宛ての書簡の中で、決議案が通過すれば、大統領には「限定的な状況における地上戦闘作戦」を承認する権限が与えられると説明。この中には救出作戦や、特殊部隊による「ISIL指導部に対する軍事活動」が含まれるとした。
また、ISISは米国家安全保障上の利益や地域の安定にとって「重大な脅威」を投げかけると指摘。「いわゆるISILはイラクとシリア、および中東の人々や安定を脅かし、米国家安全保障を脅かす」「米国の人員や同地にある施設を脅かし、米国民の殺害にも関与した」と述べ、ISISに拘束されて死亡したジェームズ・フォーリーさんやケイラ・ミューラーさんらの名を挙げた。
同決議案は議会の幅広い支持を得ているものの、武力行使に関して大統領にどの程度の権限を認めるかについては意見が分かれている。
下院の野党共和党指導部からは、大統領の権限を過度に限定すべきではないとの批判が出ており、ベイナー下院議長は10日の声明で、「この敵に打ち勝つためには包括的な軍事戦略と強い権限が必要だ」と指摘した。
一方、民主党のペロシ下院院内総務は11日の記者会見で、「大統領の権限を制限しながら米国民を守る措置について、超党派の支持が得られることを期待する」と語った。