がん闘病の女性、「安楽死の権利」訴え州を提訴
(CNN) 米サンフランシスコに住むがん患者の女性がカリフォルニア州を相手取り、安楽死する権利の確認を求める訴えを起こした。
原告のクリスティー・ホワイトさんは11日の記者会見で、「自分の選んだ場所と時間で、安らかな尊厳ある死を迎えさせてほしい」と訴えている。
訴状などによると、ホワイトさんは2007年から白血病とリンパ腫をわずらい、放射線治療や化学療法、骨髄移植手術などの治療を受けてきた。現在は症状が一部改善する部分寛解の状態だが、末期の症状で苦しむ友人たちを見て、「カリフォルニアで助けを借りて死ぬ選択肢がほしい」と考えるようになった。
訴訟にはホワイトさんのほか医師5人が原告として加わり、医師が刑事責任を問われることなく患者を安楽死させる権利の確認を求めた。原告の医師のうち2人は回復の見込みのない疾患と診断され、医師としての立場と個人的立場から見解を述べている。
米国では昨年、脳の悪性腫瘍と診断されたサンフランシスコの女性(当時29)が、「尊厳死法」のあるオレゴン州に引っ越して死を迎え、患者の「死ぬ権利」を巡る論争に火が付いた。
オレゴンとワシントン、バーモントの3州では、責任能力のある住民が回復の見込みのない疾患にかかった場合、自発的に死を早めるための処方薬を請求し、受け取ることができると法律で規定している。また、モンタナとニューメキシコの両州では、医師がそうした状況で患者を安楽死させることを認めた判例がある。