クリントン氏が指名受諾演説、「限界はない」
トランプ氏が発する反エリート的発言は、グローバル化や技術革新から取り残されたと感じているホワイトカラーやブルーカラー層を引き付けている。これに対してクリントン氏は、自分はアメリカンドリームを築き上げてきた中流家庭の出身で、トランプ氏のような「巨大ビルディングの名」は持っていないと牽制(けんせい)した。一方で、「自分たちの仕事がますます尊敬されなくなっていると感じる人があまりに多い」とも述べ、政治家はそうした層に理解を示す十分な努力をしてこなかったと認めている。
過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などのテロが相次ぐ世界情勢については、「我々が相手にしているのは決意を持った敵であり、その敵を打ち負かさなければならない。人々が不安を感じて安心を求め、確実な指導者を求めているのは明らかだ」と指摘。「トランプ氏の気性で本当に最高司令官になれるのか」と問いかけ、「ツイートに引っかかるような人物を信頼して核兵器を託すことはできない」と力を込めた。
クリントン氏の演説では、トランプ氏が21日に行った指名受諾演説とは対照的に、一般教書演説さながらの具体的な政策を提示。「私はすべての米国人のための大統領になる」と宣言し、「私たちがやれば、アメリカはかつてなく偉大になる」と述べて演説を締めくくった。