米国の市民権、「不適格」の858人に付与 当局調査で判明
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省は21日までに、国外退去の指示を受けた人物や別の名前で除外された人物など少なくとも858人に対して、米国の市民権が与えられていたことが分かったと明らかにした。適切な指紋記録の維持に不具合が生じたためだと説明している。
指紋の記録に不具合が発生した原因の一部は、古い指紋記録が電子化されていなかったため。国土安全保障省や米連邦捜査局(FBI)の指紋のデータベースの一部が電子化されておらず、そのため、国外退去を指示された人物や除外された人物を阻止するための調査がただちに行えなかったという。
国土安全保障省の報告書によれば、国外退去指示を受けた人物や犯罪者などの外国人の古い指紋14万8000件の記録が電子化されていない。
こうした記録の電子化を行わないことで、市民権取得に際しての判断で完全な情報がそろわず、結果として、不適格な人物や不正に市民権を取得しようとする人物に市民権が与えられる可能性があるという。
報告書によれば、不適切に市民権が与えられたうちの1人が法執行機関で現在働いているという。
報告書は、古い指紋記録の電子化や、国外退去指示を受けたことがわかった人物の適任性について国土安全保障省が再調査を行い、市民権をはく奪するかどうか決定することを求めている。
国土安全保障省もこの点には同意しており、是正措置の実施に向けて取り組みを開始したという。