米NY市のテロ対策費、年間1千億円? 装備も高額
ニューヨーク(CNNMoney) 米ニューヨーク市中心部マンハッタンで29人が負傷した爆発事件では、当局が発生から48時間以内にアフマド・カーン・ラハミ容疑者の身柄を確保した。同市のテロ対策部門の力がすべて発揮された結果と言えるが、その費用は安くない。
連邦政府の歳出を追跡している「グランツ・オフィス」のマイケル・パドック最高経営責任者(CEO)よると、ニューヨーク市一帯をテロの脅威から守るのにかかるコストの総額は年間約10億ドル(約1020億円)。特別仕様の装備や、要員を1日24時間配置しておくことなどにかかる費用だ。
ニューヨーク市当局のエリート部隊として知られる緊急出動部隊(ESU)では、500人ほどのテロ対策要員が重武装している。制服警官は3万4500人に及ぶ。隊員は通常、中東などに展開する米海兵隊員も使うコルト社の自動小銃AR15(1丁約700ドル)を携行。予備の武器として、パトロール警官の間で一般的な自動拳銃のグロック19(500ドル)も持っている。
ESUの隊員は強化型の防御服も身につけている。防弾チョッキなどの装備は最低でも200ドル。44口径マグナム弾も防ぐヘルメットは1000ドル近くかかる場合もある。
制服も高額だ。軍装品も手掛けるアパレル大手ロスコ社などから調達する丈夫なパンツは約50ドル。特別仕様のジャケットの小売価格は約250ドルだ。
ESUなどのテロ対策部門にかける費用は今年、ニューヨーク市だけで5億4000万ドルに上る見通し。ただ納税者にとって幸運なことに、こうした費用の大半を受け持つのは連邦政府で、米国土安全保障省が4億ドルほどを負担している。