米司法省、入国禁止の大統領令を擁護せず 長官代行が指示
トランプ大統領が27日に署名した大統領令は、シリアやイラクなど7カ国の市民の入国を90日間禁止し、難民の受け入れは120日間停止する内容。これに対して全米で抗議運動が巻き起こり、連邦裁判所の裁判官4人が、空港で拘束された入国者などに対する大統領令の執行停止を命じていた。
イェイツ長官代行の指示により、セッションズ氏が就任するまで数日の間、大統領令は実質的に凍結される。
ただ、セッションズ氏の人事案については31日の上院司法委員会で採決が行われる予定で、イェイツ氏の指示は極めて短命に終わる見通しだ。ホワイトハウスがイェイツ氏を解任し、政権にとっての優先課題を遂行する人物を据える可能性もある。
大統領令の立案にかかわった政策担当大統領補佐官のスティーブン・ミラー氏はイェイツ氏の判断についてMSNBCの取材に対し、「我が国の政策が政治の道具にされ、法の執行を拒む者がいるのは悲しいことだ」とコメントした。
大統領令に対して不服を申し立てる訴えは、バージニア、ニューヨーク、マサチューセッツ、ワシントン、カリフォルニアの少なくとも5州で起こされている。