米スリーマイル島原発、2019年に閉鎖へ
ニューヨーク(CNNMoney) 米電力大手エクセロンは30日、ペンシルベニア州にあるスリーマイル島原子力発電所を閉鎖する計画を発表した。スリーマイルは1979年に米国史上最悪の炉心溶融事故を起こした原発として知られる。
エクセロンの発表によると、州が介入して継続のための補助金を拠出しない限り、スリーマイル島原発は2019年に閉鎖する。同原発は5年前から赤字が続いていた。
米国ではシェールガスのブームを背景に、原子力や石炭の代替として、安価な天然ガスの生産が加速している。
その影響から、各地の原発で閉鎖の動きが進む。エネルギー当局によると現在米国内で運転を許可されている原子炉は99基だが、この5年で5基が閉鎖に追い込まれた。
「値段はまだ、原子力燃料の方が天然ガス燃料よりも安い。しかし原子力発電所はメンテナンスのコストがはるかに高くつく」。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジャイミン・パテル氏はそう解説する。
スリーマイル島原発で1979年に起きた事故では、2基の原子炉のうち1基が部分溶融を起こした。放射性物質の放出による従業員や市民の健康被害は確認されていないものの、この事故がきっかけとなって、連邦政府による規制強化などの相次ぐ改革が行われた。
国際原子力推進団体によると、結果として、新規の発電所建設は1980年代から90年代にかけて減少した。
スリーマイル島原発に補助金を拠出するかどうかの判断は、ペンシルベニア州議会に委ねられる。ニューヨークとイリノイの両州は、原発に対する補助金を承認しているが、料金の値上がりにつながりかねないことから論議を招く可能性もある。