米同時テロ救助活動の消防士、がんで死去 医療補償法に尽力
(CNN) 2001年の米同時多発テロ事件の救助活動で有害物質を吸い込み、8年前からがんと闘っていた元消防士のレイ・ファイファーさんが28日に死去した。
ファイファーさんはニューヨーク市消防局(FDNY)の一員として同時テロ現場に出動。事件直後の1週間は消防車に寝泊まりし、その後も8カ月の間、がれきの中で捜索を続けた。この作業に関連したがんと診断されていた。
CNN系列局によれば、最近は脳腫瘍(しゅよう)や肺、副腎への転移に苦しみ、ホスピスでケアを受けていた。
ファイファーさんは、同時テロの救助活動などで健康被害を受けた患者の救済を訴え、医療補償法の成立に尽力した。米議会では15年12月、補償を90年まで延長する法案が可決された。この時の議会発表によると、同時テロ関連の病気やけがを抱える患者は約3万3000人に上る。
昨年ファイファーさんの功績をたたえて「ニューヨーク市の鍵」を贈呈したデブラシオ市長は、「ニューヨークはひとりの英雄を失った」と述べて弔意を表した。
ファイファーさんの家族は妻と一男一女。息子は父と同じ道を選び、FDNYの救急隊員を務めている。
"Ray Pfeifer was a true fighter and the entire FDNY family deeply mourns his loss." -Comm Daniel A. Nigro. Read more https://t.co/5A95xTwJ64 pic.twitter.com/S7FMAgypPC
— FDNY (@FDNY) 2017年5月28日