米上院、オバマケアの限定廃止案も否決 マケイン氏ら反対
ワシントン(CNN) 米上院は28日、医療保険制度改革法(オバマケア)について、撤廃の範囲を絞り込んだ「スキニー・リピール(骨と皮だけの廃案)」と呼ばれる廃止法案の採決を行い、賛成49、反対51でこれを否決した。オバマケアの撤廃・置き換えを目指して同案をまとめた与党・共和党にとって大きな痛手となった。
採決に当たっては、ジョン・マケイン氏ら共和党の議員3人が反対に回った。同党の重鎮であるマケイン氏は、脳腫瘍(しゅよう)の診断を受けての静養から上院に復帰し、代替案の審議入りの可否を決める採決に参加していた。
この日はペンス副大統領を含む同じ共和党の議員らから長時間にわたり説得されていたマケイン氏だったが、結局予想を覆す反対票を投じた。
共和党のマコネル上院院内総務は投票結果を受け、驚きと悲しみを隠せない様子で「明らかな失望」を表明。有権者への長年の公約を果たせていないことにいら立ちを募らせた。
一方、トランプ大統領はツイッターで「3人の共和党議員と48人の民主党議員が米国民を落胆させた。当初から言っていたようにオバマケアの自滅を待つことにしよう。それから手を打てばいい」と述べた。
今回のスキニー・リピールでは、撤廃の範囲を保険加入・提供の義務化と一部の課税とに限定。それでも米議会予算局(CBO)は27日夜、同案が施行されれば向こう10年間で無保険者が1600万人増えるとの試算を公表していた。