米上院、オバマケア廃止法案を否決 共和党議員も反対票
ワシントン(CNN) 米上院は26日、与党・共和党がまとめた医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃に関する法案の採決を行い、賛成45対反対55でこれを否決した。長年にわたり撤廃に取り組んできた共和党だが、採決では同党の議員7人が反対票を投じた。
今回の法案は、個人や雇用主に対する保険加入・提供の義務付けの廃止、低所得者向け公的医療保険「メディケイド」と各種課税の縮小を盛り込み、オバマケアを事実上骨抜きにする内容。実際の廃止は2年後に実施し、それまでの「移行期間」で代替案を策定するとしていた。
米議会予算局(CBO)は、オバマケア廃止の法案が施行されれば向こう10年間で無保険者が3200万人増えるとの試算を公表している。
法案の否決を受け、今後は撤廃の範囲を保険加入・提供の義務化と一部の課税とに絞り込んだ「スキニー」と呼ばれる廃止法案が審議される可能性が浮上している。
共和党指導部としては、スキニーを現状での妥協案として提示し、50票を獲得して上院で可決した後、上下両院協議会でより包括的な撤廃、置き換えを可能にする法案を打ち出す考えだとみられる。