(CNN) トランプ米大統領の娘、イバンカ大統領補佐官が関わったカナダのホテルをめぐり、米連邦捜査局(FBI)の防諜(ぼうちょう)部門が交渉過程や資金関係を調べていることが2日までに分かった。事情に詳しい情報筋2人が明らかにした。
米当局者らによれば、FBIが調べているのはカナダ西部バンクーバーにある「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー」。高さ約188メートルで、イバンカ氏の名前で商標登録されたスパなどを備える。トランプ氏の大統領就任後まもない昨年2月にオープンした。
イバンカ氏は現在、大統領補佐官としての役割にともなう完全な機密情報取り扱い権限を取得しようと試みているが、今回の調査が障壁となる可能性もある。
身元調査の一環として外国との接触や海外事業を調べるのは通常の手続きだ。ただ、トランプ一族の中核企業「トランプ・オーガナイゼーション」の事業では資金調達などを海外に頼ることが多く、問題が複雑化している。
トランプ・オーガナイゼーションは同ホテルを所有しておらず、開発業者からブランド使用料などを受け取る仕組みとなっている。開発業者はマレーシア有数の富豪の息子。
FBIはかねて、イバンカ氏と夫のクシュナー上級顧問の海外取引関係を精査してきた。こうした取引により、中国などの工作員から圧力を受けやすい立場に置かれる可能性がないか見極めを進めているという。
米紙ワシントン・ポストによれば、クシュナー氏が上級顧問の役割に就いて以降、中国などの当局者は、その取引網を利用して同氏を意のままに操る方法を話し合っていたとされる。
イバンカ氏の広報担当者は、イバンカ氏や同氏による機密情報取り扱い権限の請求に関して懸念や問題が生じているとのCNNの報道は誤りだとしている。