モザンビーク・マプト(CNN) 北朝鮮がアフリカ南部モザンビークで漁業ベンチャーや軍事協力を通し、国連制裁などに違反する取引を続けて外貨を稼いでいる現状が、CNNの独自取材で浮かび上がってきた。
モザンビークの首都マプトの漁港では、北朝鮮の乗組員が2隻の漁船を操業している。漁業はモザンビーク最大の産業でもうけが大きいうえ、船は簡単に移動したり隠したりすることができる。
CNNが入手した文書によると、北朝鮮はモザンビークとの間でこうした漁業ベンチャーをはじめ、制裁に違反する数百万ドル規模の取引契約を結んでいる。収益は現地の北朝鮮外交官を通して本国へ送られる。
米当局者らが長年指摘してきたところによれば、北朝鮮に送り込まれる外貨は直接、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が核開発に使う裏金調達機関「39号室」に入るとみられる。
国連はこのほど北朝鮮の制裁違反について非公開の報告書をまとめ、安全保障理事会の制裁委員会に送付した。CNNが部分的に入手したその内容によると、北朝鮮が昨年1~9月、国連制裁で禁止されている石炭の輸出などで得た収益は総額2億ドル(約220億円)近くに上った。
国連の調査によれば、モザンビークには北朝鮮のミサイルやレーダー、防空システムなどが輸出されている。