プールの水に寄生虫や病原菌、集団感染の原因に 米CDC報告書
(CNN) 米国で発生した寄生虫や病原菌の集団感染のうち、ほぼ3分の1にホテルのプールなどのレクリエーション施設が関係している実態が、米疾病対策センターが17日に発表した報告書で明らかになった。
それによると、米46州とプエルトリコでは、2000年~2014年にかけての15年の間に、プールの水や温浴施設のお湯など塩素消毒された水や処理水を原因とする集団感染が、計493件報告された。
報告書では、同じ場所や時期に特定の施設を利用した人が2人以上、同じ疾患を発症した症例を、集団感染と定義している。
こうした集団感染による発症者は少なくとも2万7219人、死者は8人に上った。
感染源が特定された集団感染のうち、58%はクリプトスポリジウムと呼ばれる寄生虫が原因だったことが判明。クリプトスポリジウムは管理が行き届いたプールでも生息でき、人に感染すると胃腸疾患や下痢などの症状を引き起こす。
一方、重度の肺炎や発熱、風邪のような症状を引き起こすレジオネラ菌は、少なくとも6人の死亡と16%の発症に関与していた。毛包炎や外耳炎の原因となる緑膿(りょくのう)菌による発症者は約13%だった。
レジオネラ菌、緑膿菌とも消毒剤に対する耐性をもつ。感染を防ぐための対策としてCDCの専門家は、プールの水を飲まないことや、各施設が公表している水質検査の結果をチェックすることを挙げている。
集団感染の56%は、水温が高くなる6月~8月にかけて発生していた。